好きなことを続ける覚悟。

「ねぇ、自分の好きなことが仕事になったら毎日楽しいのかなぁ」

 

「んー。でも、それで行き詰まったら逃げ道なくなるよね。すごい覚悟がいるような気がする」

 

 

進路選択が迫った高3の秋の放課後の教室、部活も同じだったクラスメイトとの会話。

 

その後、2人とも教育学部に進学し、私は一般企業2年ののち結婚、彼は教師になった。

 

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今日、何気なく開いた地方新聞に彼の名前があった。

劇団を主宰し、何年も続いている県内の創作劇のコンテストの審査員を務めるらしい。

そっか。まだ演劇やってるんだ。教師の仕事はどうしたんだろ?

そういえば、数年前に結婚しましたのハガキが届いたのだが、そこからまた数年たって離婚したらしいと人づてに聞いた。理由は聞いていないけれど、その直後から彼の演劇の活動がぐっと目に見えるものになってきたことを思うと、演劇の「順位」が自らつくった家族よりも上だったということだろうか。

 

去年、自分が続けている音楽の発表会の打ち上げで立ち寄った居酒屋に、彼の劇団のポスターが貼ってあった。同級生として誇らしいような、でも、自分がくすぶってるようで悔しいような。

私は一つに絞ってそこで万が一にでも傷つくのが怖くて、あれこれ手を出して「逃げ道」を作っている。仕事は2つ掛け持ちだし、今年は子供関係の役員も2つ掛け持ちだし、「推し」だってたくさんいる。「すごい」という人もいるけれど、全然そんなことはなくてどれも中途半端で甘えているだけ。

 

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長くMeseMoa.を応援してるであろう人の、数年前本業のお仕事が忙しくて苦労してた組のレベルアップが今すごい、というツイートを見た直後に目にしたのが先出の彼の新聞記事だったので、なんか、「好きなことを仕事にする(あるいは本業以外のすべての時間を捧げる)覚悟」みたいなのがぎゅーっと胸に迫り来た一日でした。それでも、彼ら、楽しそうなんだよな!!その楽しさはきっとこれぐらいの覚悟をして苦労を乗り越えないと味わえないんだろうな。

 

彼らは、彼ら。私は、私。

彼らは彼らの人生を歩み、私は私の人生をゆく。

まったく違う道なのに、ちょっと重なったり、ちょっとすれ違ったり。

だから、人生はおもしろい。